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「ん？　うん、見れるけど......」

いなり寿司を手にしつつ、相手の言葉に不思議そうにそう答える。相手の発言がどこか引っ掛かるのか、モグモグと口を動かしながら「それがどうかした？」と言いたげに首を傾げるも

「あっ、もしかしてもしかして......彩乃ちゃん、怖いの苦手？」

すぐにニタッとからかうように口角を上げれば、楽しそうに問いかけた。つまらないし他の番組に変えようと思っていたが、同居人の面白い反応が見られるならこのままでも良いかもしれないなぁ、なんて考えつつ

ー

「いんや、特に......無いわ。強いて言うなら......んー、楽やから？」

相手の問いかけに少し考えるも、特にそれらしい答えが思い付か無かったように頬を擦りながら答える。ほとんどは火葬途中の死体を盗むことが多い故、腐敗した死体の処理が苦手だと言うことと、人間が見つけたら勝手に色々処理してくれるから、と言おうとも思ったが流石に言えないと思ったのだろう。色々引っ括めて「楽」と言い

「まぁ、なんでも良いわ。臭い付いてしまうさかい、帰ろっか。......えーと、なんだっけ、はるきくん？　やっけ？」

難しいことを話すのは苦手だ。あとこの鼻をつんざくような臭いは自分もあまり好きじゃない。無理やりに話をまとめると、懐からまた飴を取りだし口に含む。相手の名前を呼ぼうとしたが、中途半端に覚えていた為に違うよな、と思いつつパッと思い付いた名前で呼んで