「……そうかい」小さなスマホの画面なんて、あの距離で見える筈がない。言い返したくなるものの、屁理屈だと言われるのがオチだ。何も言わないでおこう。「そう、だね。仕事は病院で終わらせているから」ソファの背もたれに身体を預け、此方を見る彼に返す。ここの所まともに寝ていなかったから、そろそろしっかりと睡眠を摂らないと体が持たないかもしれない。私も、もう若くないのだから。