【 『絶命管理機関』 】
・東京本部
――俺を疑ってるの?――
秋原 時安(あきはら ときやす)/不可殺民
黒髪に黒い目の男性。長身で細身だが、しっかり筋肉はある。優しそうな顔つきをしている爽やか系。機関の不可殺民用の制服を着て腰に武器の拳銃をしまったホルスターを下げている。
普段は優しく紳士的な好青年。ただその内には闇を秘めている。表上は平和主義で、温厚。裏は好戦的で強者や異端者に対しては好奇心旺盛。人間の進歩のためなら非人道的と揶揄されそうなことも躊躇(ためら)わずにやる。
笑顔を絶やさない王子として女性からはモテたりするとか。ただ本人は丁寧な対応をするのみで、特にデートを了承したりはしない。主な一人称は「僕」。
身体能力が高く、戦闘力が高い。主な武器は拳銃だが体術やナイフも得意。射撃は機関でも群を抜く。また実際の戦いにおいては戦略的勝利を収めることも多い。
〔 重要設定 〕
『絶命管理機関』の長官。本来は最高位の総監になれたところ、その地位を部下に譲渡し、裏でその部下、総監を操っている。機関の裏の管理者。
まだ実在しているか分からない死神に興味を抱いており、彼は実在すると思っている。
また、死神に対抗する術を開発しようとしており、機関の地下施設で密かに実験をしている。可殺民・不可殺民の罪人を使ったもので、彼らを可殺民に殺させ半死神化になるかの実験などをしている。また、半死神化だけでなく、より死神に近づけないか研究をさせている。この事を秘書の棺凪は知らず、しかし彼女は時安に何かあるのではないかと疑っている。
ただ彼自身は半死神化などしていない普通の不可殺民。死神の書がある、という噂を耳にしてそちらにも興味をもち始めている。
「可殺民であろうと不可殺民であろうと、同じ生命なんだ」
「僕は君の味方のつもりなんだけどね」
「人間が醜いのは自明のことですよ。それを知りながら、あなたは私達に手を貸すんですか」
「君がいれば本物の死神をも越えられる。僕はそう考えているんですよ。君は僕には欠かせない」
「俺は、人間なんて興味ないです。興味があるのは人間を越える存在、神や死神。化け物であれば俺は興味を示しますよ。君みたいなのにはね」
「死神に好かれないと生きていけない世界、か……いやはや、怖いですね」
「不可殺民(かれら)は少し調子に乗りすぎているんですよ。君は一般概念でいうところの『化け物』の域を越えている」
「強い人間は好きだよ。面白いからね……俺の大事な駒になる存在だ」
――弱者も抜かりなく調べます……彼らは意外な力を出したりする時もあるからってだけですよ――
棺凪(かんなぎ)/ 不可殺民 ※死神ハイン
腰までの黒髪に金色の目、銀縁メガネを掛けている。長身でスタイルのいい女の人。機関の不可殺民用の白い制服を着て黒いブーツを履いている。
冷静で頭が良く真面目。クールで少々近づきがたい。本人もあまり親睦を深めたがらず、周りの男性には「恋愛に関しては期待できない」と言われる始末。時安のことを人間の中で一番に警戒している。
武器は拳銃と短剣。ナイフを複数服に仕込んでいる。時安おなじく、機関の中でも強い方。どちらも引けを取らないが射撃より剣術の方が上手い。
物語の影、恋愛よりストーリー向き。
〔 重要設定 〕
不可殺民として、ハインの定体とは別の死体に憑依し生活している。人間の観察をするため機関に入り、長官の時安の秘書として働いている。
優秀な秘書として有名で頼り甲斐のある職員。
「長官は可殺民をどうお考えですか」
「それは少し浅はかな考えでは? 可殺民も不可殺民も、傷害を起こせる点では厄介ですよ」
「あの、どこを触って……胸って、即答ですか(この体、私のじゃないんだけどな……)」
「私が死神……? メルヘン……というよりファンタジー、ですね。そんなわけないでしょう」
「――つまらない詮索は止めなさい。死ぬよ」
――あ……す、すみません。今朝カツアゲに遭ってしまってお昼ご飯買えてなくて……――
赤川 彩音(あかがわ あやね)/可殺民
胸元までの赤髪が少し混ざった黒い髪に青い瞳、黒縁メガネを掛けている地味な女の子。首に銀の分厚い鉄製チョーカーを着けている。
真面目で周りからは大人しすぎる子と思われており、何をしても抵抗は虚しく、ひ弱なことからカツアゲに遭ったり男子に絡まれたりすることが多い。
ただ本来は、かなり明るく自由奔放でアホっ気のある女の子。意外と芯が強く、他人のためなら血を流すことなど気にしない。
『青井アカネ』という芸名でソロでアイドル活動をしている。歌も躍りもかなり上手い人気アイドル。そのため私生活では歌や躍りは上手く見えないように演じている。
メガネなしだと顔立ちは綺麗だが、アイドルだとバレかねないため地味な外見にし、性格も抑制している。本当は遊びたがりで、学校が終わって家に帰ると家族に構って欲しがる。男子から眼鏡をよく取られる。
『青井アカネ』→可殺民でありながらその美貌と才能で誰からも愛されているアイドル。アイドルの彼女を憎む者はいない。『可殺民の姫』と呼ばれている。職業柄、イメージを落とさないためにも絶命作業には関わっていない。
愛機:リボルバー。ただアイドルとして印象を落とさないためにも戦わないため、使うことは少ない。
〔 重要設定 〕
死神シデスにいつの間にか魂を齧られ、気づかぬ内に死神の力を注がれた。注がれた力は『魅了』という特質として現れる。
歌を歌い、躍りを見聞きした者を惹き付ける。惹き付けられた者は自信の思想を彼女の思想と同じものにすり替えられ、彼女の味方となる。
例えば、彩音は可殺民と不可殺民の共存に賛成している。そこで可殺民と不可殺民の共存に反対している者が歌や躍りを見聞きすると、その者は彩音と同じ思想『共存賛成派』にすり替えられる。
ただ、彩音自身は死神に能力を注がれたことも、この特質についても全く気づいていない。ただ皆が自分に賛同してくれて純粋に喜ぶだけに留まる。
この特質の恐ろしいところは、彼女の活動する姿がテレビやスマホ、PC、ビルの付属画面に映ると、見た者全てにその能力を発揮してしまう点である。
この能力は彼女と同じ思想の者しか無効になることはない上、それらの者の思想が彼女と相違するものに変われば途端に効力を持つようになる。回避不可能な特性。
ただ、彩音と違う思想を持っていて、その意思が強い者は歌や躍りが終わってしばらくすると元に戻る。しかしまた歌や躍りを見聞きすると能力に支配される。
彼女自身も気づいていないが、他の誰一人も『魅了』の能力について気づいていない。ただ死神のシデスが教えれば可能性はある。知られれば、狙われることは間違いない。
「可殺民が皆悪いという訳じゃ……っ、ご、ごめんなさい。何でもないです……」
「あの……また私とご飯、食べるんですか……? 他の人とは……」
「学校終わった! 一緒に遊びにいこっ! 一人でゲーセン行くなんて寂しいじゃんかっ」
「痛っ。自分の部屋に男の子と二人っきりになったからって危なくないもんっ。怒ることないじゃんかー!」
「この人は敵じゃないから守っただけだよ。私には守れる力があるんだから、君と一緒に守る側になる」
「歌を歌えば皆が笑顔になってくれるのっ。皆、私と同じように可殺民は悪くないって言ってくれるのっ。何でか分からないけど凄く嬉しいっ」
――……何かを守る力は何かを壊す力よりも強い。あんま過信するなよ――
ヴィクタス・ウォーカー・ナイン
銀髪に青い目の男の子。長身で細身だがしっかり筋肉はある。色白で美形、首に銀の分厚い鉄製チョーカーを着けている。
冷静沈着で冷徹、独りが好きで周りと深く関わろうとしない。ただ成り行きでそれなりに行動を共にしていると、危機に瀕したときに守ってくれたりする。
戦闘狂で好戦的。普段の冷静さが崩れるのは戦いのときだけ。強者を見ると興奮し、戦闘を要求する。戦闘力はかなり群を抜いており、指導役に回っているほど。
少し前にイギリスから日本に派遣されてきた。日本語は流暢で、会話も聞き取りも完璧。可殺民と不可殺民の不和に関してなど、特に興味はなさげ。ただ死神は強いという噂を耳にしているため死神や、半死神化した人間にはかなり関心がある。
愛称は「ヴィクト」。冷たい性格ながらも女性にはモテる。ただ彼いわく、女の相手は面倒、ならしい。
愛機:剣。腰に仕込んだナイフを使ったりもする。
「なんだ……馴れ合う気はないと言っただろう」
「俺の周りを彷徨くな……邪魔だ」
「うるせえ……ちょっと黙ってろ……」
「……犯してほしいのか。だったらホストにでも行け。面倒だ」
「お前、つえーな。おもしれぇ。もっと俺と戦えよ」
「お前には自覚する必要がある。俺が残した死骸の中で、その罪を悔いろ」
――僕の目的? この世界を、正すことかな――
真籠 夕夜(まこも ゆうや) 可殺民
黒髪短髪に赤い目の、女。長身で顔は男性顔負けに整っている。胸にはサラシを巻いており家でも外でも男装をしている。
クール系、どこか読めない食えない人。悪を憎み善を好む、と思われるが実際のところよく分からない。
絶命作業以外で、悪と判断した人間に死、もしくは社会的死を与えている。行動としては惨(むご)いことをしているが、目的は善行。ただ、特に誰のためでもない、大した利もない、自分がしたいからしている、ただの趣味というのが奇妙なところ。
一人称が「僕」で顔立ちも男らしく、名前が男っぽいということで、なかなか本当の性別は気づかれない。
PCや情報に長けている。高度なハッキング能力、クラッキング能力を持っている。パルクールを習得している。
学校の個室のPCルーム15番に住み着いているため、そこに行けば会える。個室といっても結構広い。
あまり恋愛には興味なさそうだが、関心がないわけではない。恋愛はいつも相手を手のひらで転がしているような余裕のある態度。
愛機:毒針。無数に生成することが可能。ジャケットにナイフを複数持っており、それを使うこともある。
〔 重要設定 〕
学生でありながら、どんな情報も持っている情報屋。神出鬼没の情報屋として機関だけでなく『死神教』や、ヤクザの八太良目組などにも依頼されて情報を売っている。情報屋の時は「エンジェロ」、イタリア語で天使の意味の名前を使っている。ただ知り合い相手には仮面を被り顔を隠している。
機関には情報を提供する代わりに報酬と、普段している絶命作業以外での私刑を黙認させている。
この世でシデスと出会い彼から半死神化のことを聞き、それに興味を持つ。そしてあろうことか、半死神化を成し遂げるために友人に自分の殺害を依頼し、殺させた。
成功するかわからない危険な行為だったが、彼女の何者かに対する殺意が強かったため冥界との狭間に行くことができ、半死神化を成し遂げた。
半死神化して以降、シデスと交流を持っている。
「見つけたよ。君が最近あの子を付け狙ってるストーカー君か……」
「善人? 僕が? それは、何だか過大評価だね」
「へえ……君、女の子にそういうことしちゃうんだ……これは、しっかり掃除しないとね」
「このUSB一つで君の人生は終わる。女の子や自分より弱い少年を虐めて、さぞ楽しかっただろうね……選ばせてあげるよ。このまま僕に殺されるか、それとも図太く生きて社会的に死ぬか」
「他人の粗をほじくって私刑を下す僕は、一番性格が悪いと思うけどね」
「僕は面白くない人間には興味がないんだ」
「死神に会いたい? 会わせてあげよっか」
「僕は君のキスごときでは動揺しないよ。なに? 赤面してほしかった?」
――殺してほしい、ならちゃんと言うべきですね。優しく殺せと――
ロベルト・モルディス/可殺民
藍色の髪に深緑の目の男。身長は平均程度で首に銀の分厚い鉄製チョーカーを着けている。普段は機関の黒い制服を着ている。
上司に対しては、あまり礼儀を知らない人で口が悪い。何か悪いことがあると、日本語が分からないと言い出す← ただ絶命作業には真摯に対応してくれる。
絶命作業は丁寧な対応をするが、絶命志願者の気持ちに関しては冷めた見解を持っている。ただ別にふざけたりはせず、人の生死をしっかり考えている。
女性への対応は、こなれていて普通にモテるし、ナンパも成功する。ただ彼自身、本当の意味で恋愛に熱中したことはない。
アメリカから日本に派遣されてきた。戦闘には秀でているが、なにぶん上司を怒らせやすい。
愛機:鉄槍。二つに折ることができ同時使用できる。
「ナンですか? ワタシ、ニホンゴわかりません」
「俺は、君を殺す槍となります。貴方の肉を裂く、最後の凶器となりましょう」
「暇だったら俺とデートしよ。良いとこ知ってんだよな」
「その人の辛さなんて私には、分かりません。死にたきゃシネ。いてっ! いや、正直に言えっつーから」
「女の子って、こういうことするとすぐ落ちるんだよな……顔真っ赤じゃんオモシロ。お前も、気を付けろよな」