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>>126
　遊女さんとかって、お部屋に待機しているべきなのでしょうか、
はたまた参るべきなのか教えてもらっても宜しいでしょうか。


　頭をぽんと優しく、吟さんの温かさが掌から伝わる、触れられると、
吟さんはそう言うのだ。
　恐らく、今までよりは楽しんでいるのだろう。一自身もそのように感じる。
今まで狭い人間関係を形成していたが、
遊女となり活動の幅が広がると、知らない人と会うのは必然。
人間観察が趣味という訳ではないが、見たことのない人、読めない人と会うと
どうも好奇心というものが湧いてくるらしいのだ。
　春の夜は心地よい。暑くも、寒くもなく。
人肌に触れるのにも心地良い、丁度良い季節のように思える。
今日はあの人に会える、諏訪さんに。話していて、とても楽しかったのだ。
勿論、他の方もお話をしてくれる。
でも、一に直接接してくれているのかは、分からない。
吟さんはお話する時には一と正面からお話ししてくれている、頼れる人である。
諏訪さんとはまだ一度しかお話ししたことが無いのにも関わらず、
きっと良い人なのだろう、という予感がするのだ。
　早速とばかりに、やる気代わりの笑みを作り出し、動き出す。