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道行く人に怪しんで貰えたら、朔弥にはまだ助かる方法はあったかもしれない。
然し、弟の様に思われたようで誰しも不審には思いもしなかったみたいだ。
そのまま、家に連れ込まれ相手の成すままにベッドに縛り付けられる。
樹木の枝とは違った安定した場所にすぅすぅ眠り続けるが、寝返りを打つことは不可能だった。

朔弥「っ…！此処は、何処だ…？…！そうか…。」
暫くして、やっと瞼を持ち上げ瞳が覗き視界に映ったのは見知らぬ天上。
慌てて身を起こそうとするが身動き出来ない事に気付く。
途端に先程の記憶が脳裏に浮かび出る。あの野郎…。
頭痛がして、額に手を当てようと持っていくが其も叶わないらしい。
奴の気配や、"何で…俺、縛られてんだ？”と現状を理解しようと、視線だけでゆっくりときょろきょろして。