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>>160
彼女を見た瞬間、私の心は決まった。
私は今まで自分が人として何かがおかしいのでは苦悩してきた。
世間や部下からは立派だ、尊敬するなどと言われ続けた。
勿論、私だって一人の人間だ。褒められ、尊敬されることに優越感を感じるし、そう思われたいという欲も人並みにはある。
だが、私はそれ以上に人をグチャグチャにしたい、尊厳を傷つけて生きながら人形のように従順なモノにしたいというおぞましい欲も抱えていた。
このような欲を抱えた人間がそう言われていいのか、私は常々考えていた。

ある酒の席で少々酔いが深まり、思わずこの苦悩をぶちまけた際にこのオークションを紹介された。
最初は付き合いがてら顔を出す程度だと考えていたが、スポットライトを浴びせられた少女を見た瞬間、私は彼女を買うことを決めた。

「8000万」

入札が始まった直後、静かに、だが力強く入札を宣言する。
彼女を手に入れる為なら幾らでも金を積もう、足りなくなれば会社の版権を売ってでも金を積もう