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>>35
開始文ありがとうございます。
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次の商品が紹介されると、周りは新しい玩具を与えられたかのように騒ぎ出した。先程からこの繰り返しである。この店の空気はどうにも慣れないし、周りに合わせて盛り上がろうにも商品とやらにさほど興味をそそられない。正直自分はこんな店に金を使う気も無いが、このまま帰れば確実に友人に「お金がもったいない」と怒られるだろう。そろそろ家に帰りたいし、ここらで一発賭けるしか選択はない。もし買えなかった時は趣味にでも宛がえばいいだろう。

「えーと……120万、でどうだ？」

興奮しているらしい周りが盛り上がりを見せる中、港は極めて冷静な声色で言った。腕を組み静かになり始める周りを一瞥すれば、これ以上値上げは無いと踏んだのか札が入った長封筒を取り出し

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人間はいつもこんなことしているのだろうか、下らない。グライスはそう思いつつも衆の前に姿を見せ、笑みを浮かべた。だが、口角こそは上がっているが目はあまり笑っていないようである。実際、自身に注目する者に、見下すような冷たい視線を送っていた。
最終的に魔界に帰ることさえ出来れば、誰に買われてもいいのだろう。暇そうに黒い尻尾の先をユラユラと揺らしながら待っていて