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「俺の隣に座れ」
ああ、ちゃんと着いてきているなと思い少し安心する。車のドアを開けながらそう言い、乗り込めば慣れた手付きでエンジンを掛けた。彼はまだ完全に信用できない。そんな状態で後ろの座席に座られてはいざと言うときに困るため、運転席の隣に座るよう指示したのだ。

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「……グライスです、覚えてください。これから宜しくお願いしますね？」
人間のことは嫌いだ。故にこれから宜しくという言葉がおかしくて、それを自分で言うことに思わず笑ってしまいそうになる。自分が言っているのにも関わらず、まるでこれからずっと一緒にいるかの言葉に嫌気が差すようだ。だが、一応挨拶をしておかなければなるまい。笑みは絶やさないまま、どこか見下すような冷たい声色で述べて

「……こんな汚らわしいところ、嫌です。早くあなた様の家に行きたいですね」
とりあえずはあなた様って呼べばいいやと考えながら、ぴしゃりと会場に対する感想を吐き捨て