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「(彼奴の部屋か…)」
着いてこいと言い、階段を上って行く彼の後姿を気が滅入るような白けた気持ちで唯呆然と見上げる。
其の背を観ていると、彼の思惑が伝わってきそうで悪感がしてくる。
はぁ、と先を行く彼には聞こえない小さな溜め息を吐いて、渋々自身も階段を上り。
先程から溜め息ばかりだと思われるかもしれないが、既に幸せなど現の俺には逃げる幸せをも無いのだろうから、そこまで気にする事も無い筈だ。