15歳以上向け小説投稿サイト「大人小説☆カキコ」。超本格派から秘め事・過激な小説まで！

　>>9

　歩いていれば雅のいる建物が見え、少しだけ早足で入口に向かう。入口にいた人に「雅お兄ちゃんに……」と言いかけたのに、その人はそそくさと通してくれた。言いかけだったのにと思いつつも、キョロキョロと周りを見ながら雅の所へ向かう。

美月「雅お兄ちゃん……美月だよ」

　扉をノックした後、少しだけ開けてひょいと姿を覗かせて言う。椅子に座っている雅を見て、少し微笑む。目は隠れて見えないが、口角が少しだけ上がった。



　>>10

祐一「おはよ、弦」

　家から出てきた弦に、笑顔で言う。いつもと同じくらいの時間に出てきた弦のネクタイが緩んでいる事に気付くと、弦の元に自然に歩み寄る。

祐一「ネクタイ、緩んでるぞ。これじゃ知らない内に外れるから……」

　そんな事を言いつつも弦のネクタイを丁寧に直す。話しながらにしてはかなり手際良く結び直し、綺麗に直った所で「よし、出来た」と言ってネクタイから手を離す。