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　>>12

　おいでと言われて雅の所へ駆け寄ると、体をぎゅっと軽く抱きしめる。人肌が恋しくなった時だった頃だった。抱きしめた雅の体は安心する温かさがあり、心が安らいだ。

美月「雅お兄ちゃん……クッキー作ってきた」

　そっと雅から離れると、持っていた包装袋を両手で持って差し出す。偶然なのか、猫を型どったクッキーだ。後で黒猫の話をしようと心の中で呟く。



　>>13

祐一「あぁ、ちょっと面倒に思ってな……ま、お互い様ってやつだな」

　髪に優しく触れる弦に、笑顔でそう言う。毎日きちんとしていても、面倒に思ってしまう日もあっても良いと思うなんて考えながら。

祐一「俺の寝癖は学校で直せばいいしな。じゃ、行くか」

　弦が髪に触れていたが、そう言うと向きを変えて、高校に向かって歩き出す。少し歩いた所で振り返り、弦を見て「あんまりゆっくりだと遅れるぞー」なんて笑って言いながら。