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　>>144

　承諾してくれた事が嬉しかったのか、耳や尻尾が動く。猫の感情は耳と尻尾に出るからと言っても、これは流石に分かりやすいな。そう思えば片手で耳を押さえてもう片手で尻尾を軽く掴んで押さえた後に「ありがとう」と言った。

　窓を覗いて外の様子を見る。ふと、一組の男女が手を繋いで歩いているのが見えた。
　猫も人も同じ、男と女はああやって愛し合うのかなんて思っていれば、クロハにキスをした事を思い出して、顔が赤くなるのを隠そうと猫の姿になる。

(あれは……男性が男性にやるべきでは無かったかな)


　>>145

「理解が早くて助かるよ。勿論、彼女の今の状態は僕が関わってる」

　質問に表情を変える事なく頷いて言う。蘇生というより転生に近い事をした事は確かで、こうやって出てきているのにも、理由があった。

「もう一度猫のままなんて事は、叶えたい願いの成就に届かない事だ。
　余計なお世話だろうけど、独断で人間の姿になれる様にしたんだ」

　テラの言葉に、「余計じゃなかったよ、むしろ嬉しかった」と言えば、テラは目だけを細めてから再び作之助に目を向けて。

「今までにない姿での第二の生。彼女は僕の手助けを望んだ。だから僕は此処にいる」