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　>>46

「えぇ、人の姿になれるとはいえ……一応猫ですから」

　耳に触れる八重を見て微笑む。人間が野良猫に触れるなんて事があまり無いから、不思議な気分になるも、安心を感じる。見た目は人でも中身は猫なのか、人の姿である事を忘れて触れる八重の手に擦りよってしまい、ハッとなる。

「あ……すみません、つい……」


　>>47

「まぁ、君は人じゃないみたいだからね」

　ノエルが眠った事を確認してスッと立ち上がると、その無表情を一つも変える事無くクロハを見て言う。

「君の居場所を調べた時は驚いた。君が……蛇?だなんて思って無くてさ。
　僕は具体的に言えば『霊感が強力な人以外の生物には見えたりする』だから。
　僕……正直、人間が得意じゃないし」

　ノエルをわざわざ人になれる猫として蘇生させた事と少し矛盾した発言をすれば、初めて無表情を少しだけしかめて、遠くを見て溜め息をつく。


　>>48

「あはは、ごめん。ついつい……」

　幸せそうな表情のベルに笑ってみせる。此処で暮らせるというのが相当嬉しかったんだな、なんて思えばこちらも幸せな気持ちになって。『明らかに非現実的な事』だと言うのに、今それを聞けば再び泣き出してしまうと思った。

「そういえば、お腹空いてる?何か食べるか……って、んー……
　ベル、人になれるなら……人間の食べる物も食べて平気なのか?」