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　>>75

「いつまでも言葉だけじゃ、また不安になるだろう?」

　小さく首を傾げて言う。
　まさか初めてだとは思っておらず、自分も少し目を逸らすが、直ぐにまた合わせる。
　顔を赤く染めるその様子が、どうにも可愛らしいと思ってしまい。クロハの後頭部に置いた右手でクロハの頭をそっと撫でた後に額に口付けを落とす。

「俺は……一番信頼しているクロハに嘘をついたりなんかしない」


　>>76

「……もちろん」

　再び目にする事が出来た事、再びこうやって巡り会えた事、様々な喜びを露にするよりも先に、問いに対する答えが口から出てきた。その時の表情は微笑んでいたが、内心は驚きと呆然が大部分を占めていただろう。
　瞬きをする一瞬。その短い時で自身の姿を三毛猫の姿に変える。過去に彼に出会った頃の姿。病気の消え去った綺麗な毛並みの三毛猫。
　にゃあ、と一言鳴いて、再び人間の姿に戻る。今度は、心の言葉を口に出来た。

「作之助さん。ミィだよ。私の事、覚えてる?」