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>>88
　彼女の言葉に一瞬だけキョトンと不思議そうな顔になる。そんな顔になってしまうのも、無理はない。俺に用があったから来たのではないか？と思っていたのもあるが、改めて云われると正しい対応かどうか分からなくなる。ただ、彼女に云う言葉はそう、さっきと変わらない。　

「嗚呼、俺は構わない。　少し散らかっているが......入ってくれ」

　少しというのは、先程まで小説を書いていて原稿や資料が広がっているからだ。それ以外は綺麗そのもので生活感があまりない空間に織田作は、抱き締める手をゆっくり下ろして、ドアノプに手をかけて彼女が入り易いように端へ行き。