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>>52

来栖 紫夏

ふと泣いている女の子が目に入り、思わず足を止める。様子からして同じ参加者か。普通なら恐らく無視するところだが、現状は助け合わなければならないだろう。そう考えればタッタッタッと小走りで紫夏に近付いた。
満｢あの……大丈夫ですか？｣
中腰で紫夏を見下ろすような姿勢になると心配そうな声を掛ける。もう早速鬼にしつこく追われたのかな、なんて相手について考えて

ーー
霧島 零

路地裏ならなんとか鬼をまけるかもしれない。そう思った矢先に零の挑発が聞こえ、走りながら後ろを振り返った。足を止めたら直ぐに捕まってしまう距離だ。少しの間走り続けるが、満の息が切れ始め、走るペースも徐々に落ちていき遂には足が止まる。
満｢…………ぅ、どうしよ｣
さっきまで無我夢中で走っていたせいで気づかなかったが、先に進むしかもう逃げ道が無い。が、その先も行き止まりの壁が見えており、実質ゲームオーバーだ。逃げ場が無い。そう思えば後ろを振り返って