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>瀬戸祐司(k9)


「変わった人間だったな…」
廊下から、リビング。そして台所へと向かいながら、ぽつりと呟く。
今までの人間はあそこまで、穏やかじゃなかった。
怯えたり、危害を加えようとされたり、警戒されたり。そんな事が多く、直ぐに黙らせようと食事に集中してしまっていた。
加減も良くわからず、彼等が暴れるのを止めるまで血を味わっていたら、気づいたら動かなくなったのだ。
着々とワゴンに妖術で火加減を可能とするコンロ、フライパンに菜箸。彼が望んでいた刃物以外の調理道具をワゴンに乗せていく。
食材や調味料は人間の世界の物しかないので心配はしていない。肉も魚も野菜も完璧だ。
「食器は、これで良いか」
一応一通りの食器を二人分、そして多めのミネラルウォーターを用意した。
彼の待つ、餌用の寝室へと歩を進めた。