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>>21

茜空様

目が覚めて間もなく、パタパタと聞き馴染みのある足音。
そんなに急がなくたって俺は逃げないのに、なんて思いつつ、なんだかそれが愛らしい。

｢ああ、うん。ちょっと寝てた｣

いつも申し訳なさそうに部活から帰って来るから、何も言わずに頭をぽん、と撫でる。
手には白い箱が入った紙袋を下げていて、今日も美桜のお菓子を食べられることに少し微笑んだ。

｢さ、帰ろう。お前ん家で今日のお菓子食おうぜ｣


>>22

繰澪鴉様

妖を追い払うのに珍しく手こずっていたようだが、ガラッと雰囲気が変わった黒羽に当てられてビビって帰って行ったってところか。
溜息を零している黒羽の背中にさりげなく近づき、肩に腕を置いた。

｢よう。御苦労御苦労｣

毎日の妖の追っ払いに辟易してると言ったところか。無理もない。あんなに多数の妖を追い払うのに、よくこいつ1人でしているものだと関心してしまう。