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>>77

「出て行けとは言わないが、その代わりお前の相手はしないからな」
"悪いな、此処はもう僕が所有する部屋になったんだ。他の所行け"と言いたいところだが、彼は前から此の部屋に棲みついていたらしく、同居すると云うような言葉に、そう言われてしまえば止むを得ない。
「な…、」
見えるだけじゃなく、触れられるのか。
益々、厄介で鬱陶しい。
満面の笑みを向けてくる彼とは対照に、無表情な素っ気ない態度で揺さぶってきた彼の手を邪険に払い退け。
面倒な事になりそうな予感がするのだが。
思わず、額に指先を添えて天井を仰ぐ。
それはそうと、もう彼を構う暇は無い。
一息つく間を邪魔され、荷物が詰められた残りの段ボール箱をさっさと片してしまおうと中身から取り出した漫画や小説を次々本棚に並べていく。