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>>15

「そっか。そうだとしても、嬉しいよ」
慈雨が言うように、確かにそうなのかもしれないと思いつつ、慈雨が普段から素直になれない事は認めているので気にしない。
それよりも、言葉では無かったが、慈雨からそっと手を握ってくれた事に気付いて、態度で少し甘えを示してくれた慈雨に、嬉しさのあまり頬を緩ませて此方からも彼の手を握り返し、俯いて少し赤く色付いた頬にそっと口付ける。
椅子に座って、体ごと慈雨に向け僅に前屈みな体勢である為、知らず彼の心情に追い討ちを掛けるかのような、視線を向けると胸の谷間は勿論、桜色の胸飾りをもチラリと見える状態だった。
体は向けたままに、前屈みだった姿勢を正して自分からしたにもかかわらず、照れたようにはにかんで。