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ボソボソと喋る小さな声に耳を傾けていると、慈雨の言葉に暫し呆然とした。
澄んだ大きな瞳を一度ぱちくりと瞬きをして。其の瞬間理解し、軽くテンパった。
＿ふぇ？！　い、今可愛いって？
慈雨の口から！
か、可愛いぃ！慈雨の方こそ可愛いわぁ。
真っ赤になって恥じらう彼の様子を口許に手を当て乍眺めて。

「あ！待ってっ。雪斗のところに行くなら私も行くわ！」
立ち上がった慈雨に、自身も立ち上がって彼の腕をとり、絡めて。
「ふふ、慈雨ったら‥大好きっ。
　さ、行きましょ〜」
笑顔を浮かべて言った"大好き"はもちろん家族としてで。
那緒は、何でもない事の様に、雪斗に任せっきりは悪いし、手伝ったついでに梅酒も取りにいこ〜っと、と思いつつ台所に居る雪斗の許へ行こうと促して。