大人なりきり掲示板
- Re: 【文スト】中原中也と恋しませんか?【BL】 ( No.111 )
- 日時: 2019/10/28 05:08
- 名前: 唯人 (ID: iykFqmai)
>>108
見事、としか云い様が無い。乱歩の推理劇は、眼鏡を外したその動作だけで華麗に終幕した。
政府とマフィア、か…あいつら、他にも何しでかしてるか判ったもんじゃねェよなァ。本当、腐った世の中になったもんだ。
おっと。男の目の色が変わった。事件の終焉を報せる乱歩の電話が終わった瞬間、男が憎悪をこめた目線を乱歩に送る。こういう空気の変わりは、俺の分野だからな。
銃口が乱歩に向く。だがヤツは十中八九、撃たない。いや…撃てない。名探偵の云うことだから、間違いはないんだろう。
だけど…ほら、矢っ張りな。手前は合図、出すだろ?判ってんだよ。
もうこうなる予想はついていたため、合図を出されるのと同時に、乱歩の頭上を越えた。回転して跳んだ勢いで、男の持った銃を蹴り飛ばす。そのまま顔面を踏みつけて、ソファごと押し倒した。蹴り飛ばした銃が落ちてくるのをキャッチして、その銃口を男に向ける。にやっと笑って引き金に指をかけ……
たが、パッと手を離した。恐怖に血の気の引いた男だったが、それを見て明らかにほっとした顔をする。
だが、落とした銃が腹に落ちた瞬間、悲痛に叫んだ。
無理もないだろう。その銃は、地球の何倍もの重力がかかっているのだから。
これでコイツは動けない。まあ、本物の警察が来る前に失神しているだろうが。
ゴポッと胃液を吐き出す男に「汚ねェな…」と眉間に皺を寄せ、俺は振り返った。
「乱歩、コイツどうすんだよ?このまま転がしとくか?後は警察に任せりゃいいよな?」
らんぽ。云い慣れない言葉が、舌の上に違和感と新鮮さと、少しの気恥ずかしさを残した。
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