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Re: 【文スト】中原中也と恋しませんか?【BL】 ( No.42 )
日時: 2019/10/26 17:37
名前: 唯人 (ID: iykFqmai)

>>39
あっぶなかった…
まだ心臓がバクバクしている。頬が火照る。
まあ、これで一安心だ。彼奴に怪しいことなんか一つもなかった。
ふう、と息を吐き、俺も部屋に戻って、先程の資料を読み込んで作戦を練った。頭を遣うのも偶にはいいが、疲れる。どれくらい時間が経っただろう、疲労感を感じて立ち上がった。外を見ると、空は茜色に染まっていた。
呑むの予約した時間は日暮れ後の時間だから、未だ余裕があるな…。少し、気晴らしに寄り道でもしながら行くとするか。赤羽と呑むの本当久し振りだもんな、楽しみだ。
外套を羽織り、ポートマフィアビルを出て、目的もなく歩く。
すると突然、突風が吹き、帽子が拐われた。いきなりのことで、吃驚して慌てて追いかけた。
帽子は、ビルの間の細い路地のそのまた曲がったところにある袋小路の入り口で落ちかけ…なのをなんとか触れて浮かせ、掴んだ。
なんだか今日はひやひやしてばかりだ。まあ、赤羽のことに関しては杞憂に終わっただけだったが…
そう、思っていたのに。
角の向こうから、声が聞こえた。男二人の、声。職業柄、聞き耳をたててしまって、その声の持ち主が二人とも知っている人物であったことに…本来会うべきではない二人の声が飛び交っているのを聞いて…背筋が、凍った。

「……あか…ばね…? だ、ざい…?」

震える声が出た。壁に身を隠し角を覗く。二人は向き合い、親しげに会話をしている。ヒュッと息を飲んだ。

なんで、この二人が。