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　>>11

「……さては貴方、私を天使の身になりきる人間と勘違いしていますね?」

　不法侵入やらなにやら、その様な言葉を聞いた事で少し落ち込んだ様子を見せる。背中から生える翼も、どこか悲しげにしおしおと畳まれる。ふと周りを見渡せば、遠くに置かれてある一冊の本が目に留まり。

「……しかしながら、人間と勘違いされても仕方がない事なのです。天使の姿見は人であり、翼を除けば異形の要素などありませんからね……」

　手招きをすると遠くの本は宙を軽く飛んで手に収まる。「ほら、このような天使である事に間違いは……」と本を捲って天使の記述を見つけると、相手に見せる。