>>619「そ、物覚えが良いねえ」わざとなのか無意識なのか、さほど高くない身長を生かすような仕草をする彼を見る。すぐに、ちゃんと手元見て、と顎をしゃくった。>>620「えー…………」片付けを始めてしまった姿を見て、その昔、恋人にも同じ言葉をかけたことを思い出す。>>621彼がいつ家に帰るか分からない。待っていれば機会を逃すかもしれない、と、聞いた番号へ電話をかけた。