>>669「全部はないけど、上着くらいはあるよ」手袋を手渡しながら、今やお馴染みとなった鞄の中身を思い出す。彼は派手に汚すことがあるから。>>670「よろしくお願いします」軽く頭を下げ、示された助手席に乗り込む。二度目でありながら、車で二人きりになることに、拒絶感はなかった。>>671「まあ、その時はその時だ。まだ肉を食べていたいけど」悪戯に笑う彼に、静かに笑う。世間一般的に、自分が悪であることは当然として弁えている。