>>9「ああ、すみません……その、……なんだか眠れなくて…」顎を持ち上げられて、振り払うのも悪いだろうと、そのまま顔を上げれば、男と目が合う。綺麗な人だ。どこか非現実的なこの状況に、こんなにも合う美しい人がいるなんて知らなかった。ぼんやりとそんなことを考えながら男の反応を待つ。