>>20杖の音がひときわ大きく響く。眠っていないこの頭には痛いくらいだ。どこまでも非現実的なこの人の元なら、この眠気も、そして、次の制作のアイデアが浮かばないことも、どうにかなるのではないだろうか。そんなことが頭をよぎった時には、彼の言葉に頷いていた。「…わかり、ました。あの…僕を、あなたの家に、連れて行ってください」そして、彼の瞳をじっと見つめた。