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「ェ‥、其れは例え、犯罪を犯してたとしても、か。…俺自身は、誤ちを犯したつもりなんざねぇけど。」
相手が振り向き、握られていた手を引き寄せられるとは思ってなかった故に驚き、手を引かれる儘に胸元へ収まり、見上げて。
そんなに判り易く、思い詰めたような表情をしていただろうか。
如何やら俺らしくないところを見せちまっているようだ。
どんな俺でも愛す、と言ってくれた彼に、本当にそんな事出来るのかは兎も角、問い掛けた後返答に恐怖して、目線を逸らし。
あの時、もっと冷静で居られたら。
彼が腰を抱き寄せ、背中を摩ってきた事で優しい温もりに触れ、傷心していたところに余計、癒しを沁沁と感じられ、酷く安心して。
感情が抑えられなくなって涙が流れつい、おずおずと相手の両肩に腕を回し、顔を埋め鼻を啜り。