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>>977

「おっ前、朝食抜きなのかよ。なんだ、飯より寝てる方が良いってか。あー、今から食ってたら時間ねぇな。」
ベッドから抜け出て、何かを探す彼を余所に、自身はベッドから抜け出ず居座った儘話し掛けて。
何やら持ち出してきた彼がベッドに戻って来て、俺に差し出す其の何かとやらの正体は、六枚ほどの絆創膏。
「……サンキュ、助かるぜ。なぁ、今日の昼食、食堂で食いたい。修哉の奢りでな」
多くて少ない、隠しきれるか微妙な枚数の絆創膏を見遣り、受け取る。
傍ら見たら不自然な程の枚数だが、指摘されれば近所の猫には悪いが、猫の所為にでもしとくか。
近所に猫が棲みついている事は本当な為、強ち全てが虚言ではない。
差し渡された内の絆創膏の一枚を、自分で貼ろうと数箇所に亘る痕の位置を確認するも、見え難い故に手間取って。