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>>148

「なんだよー。おお、サンキュ。」
此方が文句を垂らした事の返しに、口を尖らせ乍言って拗ねるも、彼が俺の分も持って来てくれた鞄を受け取り、お礼を言う。
「……っ、まぁ、帰るか。取り敢えず校内から出るぞ」
修哉には衝撃的だった筈の事だが、意外にも変わらない様子に、気にしないのか、と少し落ち込み掛けたが、否、修哉ではない他の誰かに付けられた痕をなぞる事に、気にしてないのではなく、何とか感情を抑えようとしているのだな、と悟ったことで、何者かが付けた其の痕をなぞった指を、相手の手首を掴んで離させると、ベッドの端に腰を落ち着かせて、相手の体を強引気味に屈ませ、グッとお互いの体を寄せ合うとキスを施す。
其れから、顔を離すと痕を付けられた当の本人にも拘らず、平然としているが、平然を装っているだけであり、切り替えて重い腰を浮かせると、鞄を持ってベッドから離れ扉へと向かう。
迂闊だった。そう、油断していたからだ。と向かう間、悶々と思念して。