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「はぁ？そんなつもりねぇよっ……て、おい。」
思いもよらない足止めを喰らい、ぅゎっと小さく驚いた声を上げた。
引き返そうとする足を、突如として引き戻されたかと思えば、至近距離でそんなことを言われて、なんだよ。と睨み付けるように見据えるが、現状の伍樹では逆効果で。
彼が発する僅かの低音に、怯んで体を縮こませるも、相手を見据える目線はブレず。
そんな中、唇が触れそうな距離に周囲が囃立つが、人目とか今はそんなものどうでもいい。
痕を見せびらかす？俺だって隠せりゃ直ぐにでも隠してるっつの。
まだ頬が赤くて誘ってるようにしか見えない？俺は別に誘ってなんか無い、んな悠々としてられっかよ。まさか長引いてんのかと自覚すれば、途端に動悸がしてくる。
馬鹿にするのもいい加減にしてって、微塵も馬鹿になんかしてねぇ。
言葉をぶつけられ、思った事を一纏まりにし、感情を乗せつつ反論すると、出発寸前の電車に乗り込ませられてしまえば、降車出来ねぇじゃんかよずりぃぞ。ガム、はまた今度で良いかと諦めて。
ん？待てよ、修哉の家って…。抑今日は修哉の家に行く予定無かったし、優しいから抱きしめてくるかもしれねぇけど、だからこその怒りで、何仕出かすか分かったもんじゃない。