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「……ふふ、そんなに喜んでくれたら奈菜も嬉しいな」
ベンチに腰掛ける奈菜の姿はまるで牡丹のようで、うっとりと微笑みかえすと。持ってきた重箱のお弁当をそっと開けて。包みの中に入っていた紙皿と箸を相手に渡す。
「やっぱり…ちょっとぐちゃぐちゃになったね」
自分では詰めれない位に綺麗に詰められていたであろうお弁当が無事崩れている事に内心安堵しながら、とろり、と申し訳なさげに微笑み。
ーー
真幸「だって、こうでもしないと、お前、こっち向いてくんないじゃん……本当はお前らが付き合うずっと前、1年の頃から好きだったのに…………」
ぽつり、と真幸の瞳に涙が浮かぶ。
「…、……それは…知らなかったな」
自分は、奈菜との共謀のメリットから想定できる事しかこいつの気持ちを理解してなかったと。親しい友人のはじめてみるその生々しい苦悩の様子に、心苦しさを感じて。