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>>74

「どういたしまして」
とろり、と微笑み。自分もお茶を口につける。すっきりと口に広がる緑茶の香りに、満足げに笑って。
「良かった！……ねぇ、食べ終わったら次はどこ行こっか」
どこか上の空な相手に、少し上目遣いでそう尋ねる。
ーー
友人として涙をぬぐってやりたいのに、紘永としてはできず。行き場のない手が空中をさ迷う。
迷っていた左手を真幸におもむろにとられ、人差し指に噛みつかれる。
「…痛っ」
困惑したまま噛まれた所をぺろりと舐められる。その質感に正気に戻り慌てて手をふりほどき。