甘い匂いに気が付いた彼の問いかけにこたえる。「お礼として、マカロン作ってみたんです。甘い物、好きですか?」安堵からふわり、とした笑顔を見せる。彼の声を聞けば声の震えも止まる。鞄からマカロンと借りたハンカチを取り出して手渡す。…あれ、そういえば俺名乗ってないな。手渡すと同時に口を開く。「俺、星城琥珀っていいます。好きなように呼んでくださいね。」出来る限りの笑顔でそう答える。