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「そうか、其れは辛い思いをしたな。よく話そうとしてくれた、其の心意気確と届いたぜ。」
辛い過去の記憶が思い出された筈なのに、話してくれた事が、俺の心には響き沁みて痛感した顔付きで。
大切な人を失った喪失感に見舞われたであろう彼は自然と涙が溢れ、そんな彼を上目遣いで見詰め、慰めるように舌で彼の瞳から流れる雫を、掬い取る。
「そんで、今の修哉は幸せなのかよ。‥今、盗撮写真がネット上で流出した件があるけど、以前俺は病院送りにした事があるって言ったよな、悠斗のダチの事で…。そんで転校する羽目になっちまった訳だけどよ。そう云う訳だからさ、修哉が今幸せなら、折角掴んだ幸せ、俺は、離れる事になる方が…よっぽど、其方の方が、辛ぇからッ…俺の意向も汲んで、若し別れるとか考えてたとしても、修哉が俺のことを心配するのは、わかるけど、間違ってでも別れるとか言うなよッ！お前は、俺から離れないって言ってくれただろ。」
傷害事件を起こした時の事を苦笑いし乍口にした後、恋人である彼を抱きしめ傍に居てくれる事を頼むからっ。と告げれば、「修哉の交際相手だった彼女の願いもあるし、暗い話は此れで仕舞いなっ。」と空気を一変するように明るく振る舞い、抱きしめていた彼から離れようとして。