「い、いらっしゃいませ、」その日の由希は空きコマを使って、自分のアルバイト先でせっせと接客をしていた。「...えっと、窓際の席どうぞ。お冷お持ちします」11時前。まだ昼休憩には早いのでお客さんは疎らだったが、来店してきた男に少しだけ違和感を覚えた。まあ、でも上京してきてから喫茶店のマスターと近所の猫ぐらいしか知り合いいないし、こんな陽キャ知り合いなわけないんだけど。違和感を消そうとした。