>>303「そ、そう云う訳では…御座いませぬが」抵抗する間もなく、結んでいた紐で腕を拘束されてしまい、問い掛けられた言葉には彼自体を否定している訳ではなく。「……っ、」肌が濡れているのもありまた、彼の指が胸元に這わされ、慣れない事だからかふるふると小刻みに震えては、胸飾りを相手の親指の腹で押し込まれ吃驚するよう肩を跳ねらせ、目を僅かに瞠り息を詰め、返答する言葉が出ずにいて。