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>>31
「警察に通報したりしないんですね」
　てっきり通報されると思っていたのか、一織は少し驚きつつ尋ねた。興味深い、と呟いて彼女の返答を待つ。

>>32
「構いませんが……」
　三城は誘われて嫌ではないため、断りはしない。横にいる父親へと目を移した。普段から護衛に囲まれているため、明人にとってはやりづらいのではと思っているらしい。
「護衛のことなら気にするな。お前たち二人が出掛けるというのであれば護衛は下げよう」
「えっ、ですが父上」
「交際する男には、娘を守れる人間でなければ困るからな」
　頭はそう言って明人を見る。三城もそう頻繁に襲われるわけではないが、明人が危険な目に遭ってしまう可能性があると三城は困った表情を浮かべる。

>>33
「今の流れだと辞めてほしい理由は僕を気遣ってだと思われますが……あなた自身は嫌なのですか」
　一織は辞めろと言われて否定も工程もせず、問い返した。ここで嫌だと言われても、おそらく彼は引き下がらないだろうが。