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>>39

【一日目/夕方】

「だろー？…って、俺にしてはってなんだよ、俺にだって悩む事ぐれぇあんの。まぁ人に話すかは別としてだがな」
感謝を述べられた事には別に構わねぇぜ、と返しつつ彼はそう云う意味の悪気があって言った事ではない、と知りつつも戯言を交わす自身は、彼の言う通り内に秘めている、なんて事が大概だ。
口に出すと云う事は其れ程彼に気を許している証拠だろう。
「其れで、そんな珍しい俺からのお願いってのがよ、アンタに家族が居るってのは承知で訊くが、俺と暮らす…じゃねぇな、一日中過ごす事は出来ねぇの…？今週末だけで良いんだよ、頼む。一応簡単なもんなら料理出来るから奥さんを手伝えるし如何だ、悪くない話だろ？
…もぅあんたから目を離したくないんだよ、あんたを一日だけ束縛させてくんねぇか…？あぁ、束縛と言ってもアンチェンジは好きなように過ごしてくれても良い、ただ俺は其の場に居合わせて貰えれば其れで良いんだ。」
話の切り出しに困り幾らなんでも突拍子が無さ過ぎたか。
豆から挽けるドリップ方法で珈琲を淹れた俺は、彼の前に差し出すと言葉を詰まらせつつ、死亡宣告はし難い為致し方なくとんでもない事を悲痛な表情で口走れば、気まずそうに目を逸らし。