将軍様「良いけど……」 親に捨てられたことを口にするのは、相手の深部に踏み込むことと同等である。翔子は少し言うのを躊躇い目をそらす。顎に手を当てて考えたあと、彼を見つめ直す。「君が両親に捨てられたこと、でいいかい……ボクも父親に見放されているから、人のことは言えないけど」 翔は自分の父親を思い出して、親に愛されない事実を言及することに申し訳なさと自分への痛みを感じていた。