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>>356
「あ！　時臣っ、来てくれたんだー」
　正規統治者の部屋に着くと呼び出されていた女性社員がすでに部屋にいて、時臣を見た瞬間彼に抱きついてきた。
　奥で椅子に座っていた正規統治者の男は藤林の姿を見て眉を寄せる。
「わざわざお前がここに来るなんて何のようだ」
「いや……うじ虫に殺虫剤をかけに来ただけだよ。これはどういうことだ。明らかな夜子法違反だぞ」
　藤林はテーブルにタブレットを置き、彩芽が夜子変更をする前に機関の男たちに犯されている映像を見せる。それ以外にも映像に映る男たちと正規統治者が接触している写真をテーブルにばらまく。
「！　こんなものどこから……っ」
「……まぁ酷い、そんなことしてたんですね」
　女性社員は白々しくも見切りをつけて正規統治者の男を切り捨てつつ時臣の腕に抱きついていた。
　藤林が警察から得たものの中に、女性社員が正規統治者の男と、彩芽の強姦について話している音声データも入っていたが女性社員はそれも知らずに時臣にキスをする。

「っ……ね、ねえ……き、気持ちいいこと、しない?」
　男子生徒の方に近づいて自分から誘ってしまう。