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>>62

　彩芽は持病と言い出した彼に少し怪訝そうにしつつ、警戒してお茶を見る。
「どうした。わざわざ出してやった茶を飲まないのか」
「……ああ、いえ。私お茶を飲むとお腹を下しやすくて。お水をもらえますか」
「お前たちは病持ちコンビなのか。ったく、おい。水だ」
　男は面倒臭そうにして女の子に視線を向け指示をする。
「え、あ……は、はい」
「大丈夫。自分で入れるよ」
「あ、でも……」
　指示を受けた女の子が台所に行くが、彩芽もそっちに行って自分で水を入れる。

「にしてもあのガキ、なかなかいい女だな。夜子にはちょうど良さそうだ。従順そうで胸もでかい」
　男は台所に行った彩芽を見て少しニヤついた顔をする。彩芽は仕事では一応礼儀正しくしているからか、仕事相手には大人しく見られがちだった。
　普通にセクハラ発言だが、持ち前の元正規統治者の肩書があるため全く気にしていない。