扉を開け現れた男性の微笑みに、内心安堵すると包装されたタオルを手渡す。「初めまして。これから荷物を片付けるので、今日一日少し物音が煩いかもしれません。なるべくご迷惑にならないように気を付けますが、よろしくお願いします」ハキハキとした声で告げながら、こんな時自身の表情の変化の無さを悔やむ。愛想笑いの一つも出来なくては、隣人に悪印象をもたれても可笑しくはないのだから。