「そうですね…。お惣菜、買って帰りましょうか。外食も良いですが…」彼の手の温もりにきっと嘘はないと思い、夕食の話を考える。このまま外食に向かうのも悪くないが、今日はなんだか彼とお家でゆっくり過ごしたい気分だったのだ。正確に言うならば、彼と付き合ったばかりの自身は少し気持ちが浮き足立っている気がした。だが、それを大勢の人がいる場で表立って露にするのは、あまりに慎みがない気がしたのだ。