彼の用件は察していたが、予想通り気分の悪い話だった。「私にとっては何も良くない行為だったけど?それに、貴方なら私より良い女なんて幾らでも見つかるでしょう?」こちらは華奢な女性、相手は腐っても男性だ。力では勝てないだろう。何よりこの男が神崎伊織の事を知っているかは分からないが、どこから写真を流されるか分かったものではない。おそらく、逆らえない。ならば責めて心だけは強く、気丈でいようと震えそうな手に力を込め自身の手を握る。