リビングのソファ前で、丸テーブルを下ろす。「うん、良い色だわ」ガラスの丸テーブルの下には、先程買ってきた栗色の長毛の大きめなラグが敷いてあった。引っ越しで出た段ボールは今朝ゴミに出したし、部屋の掃除も片付けも整った。これでもし来客が来ても恥ずかしい事はないだろうと、満足げな表情を浮かべ安堵の吐息を溢す。「神崎さん、居るかしら?」キッチンに歩を進め、彼は在宅しているか等考え始める。