「ありがとうございます。喜んでもらえて良かったです」ティラミスの最後の一口を味わうと、コーヒーを飲み落ち着く。彼と仲良くなれればという思いがあったのに、いざとなるとやはり話の話題はコーヒーと菓子の事となってしまう。どう話題を広げようかと悩んだすえに、部屋の雰囲気を口にした。「お部屋、モノトーンで素敵な雰囲気ですね。とても片付いてますし」秋梨の想像するものが一般とは限らないが、男性にしては綺麗に片付けられているなと吐息を溢すように話。