「そうですね。でも、幸せです」彼の言葉に嬉しそうに頬を薄紅に染め微笑む。「和食にしたのですが、口に合うと嬉しいです」トレーを使って大きめなじゃがいもの肉じゃが、白醤油で作った出汁醤油の白菜のお浸し、大根おろしとすだちを添えた焼き鮭を運ぶ。再び往復して炊きたての白米と豆腐と葱のお味噌汁、それに氷水の入ったデキャンタを運び終えるとトレーを片付け、彼のグラスに冷水を注ぐ。