「店主様は、決して甘いだけではありませんよ。確りと『花魁は消耗品』と理解しておいでですし、売り物にならなくなれば処分も已む無しとされています」自身よりも先の姐様だった者を思い浮かべ苦笑する。「今は私も良く扱われていますが、何れ処分される日が来ましょう」故郷に送っている物とは別に、手元に蓄えは貯めている。けれど急病にでもなれば生きて出られぬ事もあるだろうと暗に言葉にして、徳利を見つめた。